父と同い年、88歳のMさんから昨日夕方電話があった。
Mさんは2週間ほど前に胆石の手術を9時間かけてされ、
今日退院しました、とのこと。
Mさんの声は少しか弱かった。
Mさんは86歳の奥さんと二人暮らし。奥さんはほとんど
車いす生活なので生活一切、介護一切をMさんがされている。
独身の息子さん二人いるけれど、車で3時間のところにいて
盆正月に帰るか帰らないか、の関係で今回Mさんの入院の時も
奥さんは奥さんの実家で見てもらっていたそう。
私は以前からMさんに会うたびに「介護サービス使って
してもらえることはしてもらったらいいよ」と
言っていたのだけれど
昔気質のMさんは「自分で出来ることはやりますわ」と言って
何の介護サービスも受けずに頑張っておられた。
奥さんは「結婚してからずっと怒られっぱなしで
怖い主人だったけれど、自分がこうなって本当は
こんなに優しい主人だったことが
初めて分かりました」と
手を合わすようにして言っておられた。
二人の関係があたたかいものに
変わったのは良かったけれど、
経済的にも肉体的にもギリギリの状況、それもほぼ超高齢者。
若い時から真面目に一生懸命に働いてきたMさんの人生を
お聞きしたこともあったから、
なおさらこんな歳になってまで
頑張り続けなければならないMさんを不憫に思う。
今日の電話でMさんは奥さんを
「デイサービスに通わそうかと
思う」と言われたので、ちょっとホッとした。
お二人の残された人生の時間が
せめて穏やかに
過ぎていきますように、と
心から願うばかりだ。